主題
- #第36回 技能士
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作成: 2024-04-23
作成: 2024-04-23 13:24
1.HRC 6066、STB2変形防止熱処理サイクルについて説明しなさい
※ HRC 6066、STB2(高炭素クロム鋼)
◑ ソーキング処理後、Q(クエンチング_焼入れ)-T(テンパリング_焼き戻し)
◑ 焼入れ温度から700℃付近まで3時間程度保持した後、空冷
◑ 790~820℃で30分、25分油冷した後、Ms(170~130℃)で空冷
◑ 150~180℃で40分、25分後水冷
2.変形に敏感な高速エンジンシャフトを上部ベイナイト組織で得るために、塩化物塩浴剤を選択した。低温塩浴剤の成分3つを書きなさい(融点:2360℃、使用温度:400℃)
◑ 低温用塩浴剤:硝酸ソーダ、硝酸カリ、亜硝酸ソーダ、亜硝酸カリ
3.S曲線を求める方法を列挙しなさい。(CCT曲線を求める方法3つ)
◐ 組織学的(そしきがくてき)方法
◐ 熱分析法(ねつぶんせきほう)
◐ 熱膨張法(ねつぼうちょうほう)
◐ 磁気分析法(じきぶんせきほう)
4.共晶点(きょうしょうてん)で相律(そうりつ)を用いた自由度を求めなさい
◐ F=C+1-P
◐ C=2、P=3、F=0
5.120°ダイヤモンドコーンを用いて150kg荷重でロックウェル硬さ試験を行い、圧痕(あつこん)深さが0.045mmであった場合、HRCは?
◐ 計算式
HRC=100-500h(hは圧入深さで、単位はmm)
100-500×0.045=77.5
◐ 答
77.5
6.疲労限度(ひろうげんど)を定義し、Alのような疲労限度を定めにくい金属ではどのように疲労限度を定めるか書きなさい
※ 疲労限度定義
◑ 材料に繰り返し荷重が作用しても、永久的に材料が破壊されない応力の中で最大の荷重値
※ アルミニウム(Al)のように疲労限度を定めにくい場合
◑ 10の7乗繰り返し数での応力振幅を疲労限度として定義(製品や部品の有効寿命を決定)
7.C 0.25%浸炭鋼(しんたんこう)を用いて目標炭素濃度0.8%、拡散時間(かくさんじかん)を含めて7時間浸炭処理した結果、表面炭素濃度が1.15%であった場合、浸炭時間はどのくらいか?
◑ ハリスの式
Tc=浸炭所要時間、Tt=浸炭時間+拡散時間
C=目標表面炭素濃度(%)、Co=浸炭時の炭素濃度(%)、Ci=素材自体の炭素濃度(%)
◑ 計算式
Tc=Tt((C-Ci)/(Co-Ci))2
Tc=7*((0.8-0.25)/(1.15-0.25))2
◑ 答
Tc=2.6時間
8.Fe-C状態図(じょうたいず)で炭素が4.3%(①)点、共晶点の自由度は(②)、磁気変態温度(じきへんたいおんど)は(③)℃、γ鉄、α鉄の立方格子(りっぽうこうし)を(④)に書きなさい
◑ ①:共晶点
◑ ②:0
◑ ③:A2(768℃)
◑ ④:BCC
9.質量効果(しつりょうこうか)とは何か記述しなさい
◑ 同一の鋼種(こうしゅ)であっても、製品の大きさ、厚さ、質量形状によって硬化(こうか)する深さが異なる
10.硬化能(こうかねん)について説明しなさい
◑ 同一サイズの製品であっても、鋼種によって焼入れ時の硬化深さが異なる。この硬化深さを支配する鋼自体の性能を硬化能という
111.磁粉探傷試験(じぷんたんしょうしけん)で磁化方法別に線形磁化(せんけいじか)、円形磁化(えんけいじか)を区別しなさい
※ 線形磁化法
◑ ヨーク法(M)
◑ コイル法(C)
※ 円形磁化法
◑ 磁束貫通法(じそくかんつうほう)(I)
◑ 軸通電法(じくつうでんほう)(EA)
◑ プロッド法(P)
12.熱電対(ねつでんたい)と関連するものと接続しなさい(熱電対について説明しなさい_代替)
※ 熱電対の具備条件(ねつでんたいのくびじょうけん)(熱ゴ内内熱)
◑ 熱起電力が大きいこと
◑ 高温に耐えること
◑ 耐熱性が大きいこと
◑ 耐食性(たいしょくせい)が大きいこと
◑ 熱伝導率(ねつでんどうりつ)が小さいこと
13.ベアリング鋼(こう)、精密機械鋼(せいみつきかいこう)、ゲージ鋼(こう)を深冷処理(しんれいしょり)する目的3つを書きなさい
◑ 寸法変形防止(すんぽうへんけいぼうし)
◑ 時効変形防止(じこうへんけいぼうし)
◑ 鋼を強化する
◑ 浸炭層強化(しんたんそうきょうか)
◑ ステンレス鋼(こう)の機械的性質改善(きかいてきせいしつかいぜん)
◑ 残留オーステナイトをマルテンサイト化(ざんりゅうおーすてないとをまるてんサイトか)
14.ラミネーション検査方法(けんさほうほう)について説明しなさい
※ ラミネーション
圧延鋼材(あつがんこうざい)にある内部欠陥(ないぶけっかん)、非金属介在物(ひきんぞくかいざいぶつ)などが圧延方向(あつがんほうこう)に沿って平行に伸びて層状組織(そうじょうそしき)になったもの
15.一般的な熱処理用治工具(ねっしょりようじこうぐ)材料に条件および注意事項(ちゅういことがら)5つを記述しなさい
◑ 耐熱性(たいねつせい)が良いこと
◑ 高温変形(こうおんへんけい)が非常に少ないこと
◑ 製作(せいさく)が容易(ようい)なこと
◑ 耐食性(たいしょくせい)材料であること
◑ 変形に対する十分な硬度(こうど)を維持すること
16.渦電流探傷試験(うずでんりゅうたんしょうしけん)の利点4つと欠点3つを書きなさい
※ 利点(こうびけんひょう)
◑ 高温でも探傷が可能である
◑ 非接触(ひせっしょく)であり、探傷速度が速い
◑ 検査記録(けんさきろく)保存が可能である
◑ 表面欠陥(ひょうめんけっかん)の検出能力(けんしゅつのうりょく)が優れている
※ 欠点(ないふくけん)
◑ 内部欠陥測定には不適である
◑ 複雑な形状には探傷が困難である
◑ 検査で得た指示から直接的に欠陥の種類、形状などを判別(はんべつ)するのが難しい
17.熱処理時(ねっしょりじ)の質量効果について説明しなさい
◑ 質量効果
同一の鋼種であっても、大きさ、寸法、厚さによって硬化深さが異なる
材料の大きさや形状を基準(きじゅん)に熱処理効果を判断すること
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